法定相続分のパターン 6選
相続分とは共同相続に際して各共同相続人が相続財産を承継すべき割合、各共同相続人が取得し売るべき相続財産の総額に対する分数的割合をいいます。被相続人によって各共同相続人に対し相続分の指定がない場合は、民法の定める法定相続分を指標に遺産分割を協議します。
例1 被相続人甲には妻Aと子B、C、Dがおり相続財産は5000万円
Aの相続分 5000万円×1/2=2500万円
子B、C、Dの各相続分 5000万円×1/2×1/3=833.333…万円
解説:妻Aの法定相続分は1/2 子の法定相続分は1/2 子は1/2を人数で等分します。
例2 被相続人甲には妻Aと子B、C、Dがおり甲より先にCが死亡していた場合で相続財産6000万円
Aの相続分 6000万円×1/2=3000万円
子B、Dの各相続分 6000万円×1/2×1/3=1000万円
F、Gの各相続分 1000万円×1/2=500万円
解説 Cが甲より先に亡くなっている為、代襲相続によりF、Gが相続人となるCの相続分1000万円を等分したものがF、Gの相続分となります。
例3 被相続人甲には妻Aと子B、C、Dがおり甲が死亡後、遺産分割未了のままCが死亡してた場合で相続財産6000万円
Aの相続分 6000万円×1/2=3000万円
B、Dの各相続分 6000万円×1/2×1/3=1000万円
Eの相続分 6000万円×1/2×1/3=1000万円 1000万円×1/2=500万円
F、Gの各相続分 6000万円×1/2×1/3=1000万円 1000万円×1/2×1/2=250万円
解説 甲が死亡後、遺産分割が未了のうちにCが死亡したので数次相続となります。Cが相続したであろう1000円はCの妻Eとその子F、Gで分ける事になります。
例4 被相続人甲には妻Aと子B、C、Dがおり甲が死亡後、遺産分割未了のままCが死亡して更にC死亡後遺産分割未了のうちにFも死亡した場合で相続財産6000万円
Aの相続分 6000万円×1/2=3000万円
B、Dの各相続分 6000万円×1/2×1/3=1000万円
Eの相続分 6000万円×1/2×1/3=1000万円 1000万円×1/2=500万円
Gの各相続分 6000万円×1/2×1/3=1000万円 1000万円×1/2×1/2=250万円
Hの相続分 F=250万円×1/2=125万円
K、Mの各相続分 250万円×1/2=125万円
解説 Fの相続分1/24を妻と子2人を分ける事になります。
例5 被相続人甲には妻Aと子B、C、Dがおり甲→C→Aの順に遺産分割未了のまま3人が死亡した場合で相続財産6000万円
B、Dの各相続分 6000万円×1/3=2000万円
Eの相続分 6000万円×1/6=1000万円
F、Gの各相続分 6000万円×1/12=500万円
解説 甲→C→Aと遺産分割未了で数次相続が発生、考え方としては例4と同じです。
例6 被相続人甲には妻Aと父Bと母Cがおり子はおらず相続財産6000万円
Aの相続分 6000万円×2/3=4000万円
B、Cの各相続分 6000万円×1/3=2000万円
解説 子がいない場合は第2順位の直系尊属が相続人となります。その際の配偶者の相続割合は2/3で1/3が直系尊属で2人の場合は等分となります。
例7 被相続人甲には妻Aがおり子はおらず両親ともに他界している。兄弟がいる相続財産6000万円
Aの相続分 6000×3/4=4500万円
D、Eの各相続分 6000×1/4=1500万円
解説 子と両親もいない場合兄弟姉妹が相続人になります。その法定相続分は1/4です。
兄弟姉妹は遺留分がありませんので、もし相続させたくない場合は遺言を残しましょう。
例8 被相続人甲の妻、子が相続放棄した場合
B、Cが全額相続
解説 被相続人の妻Aと子FGが放棄した場合甲の両親に相続権が移り全額相続となります。甲が負債を抱えていた場合このように妻子が放棄するケースが多いと思われますが、妻子は放棄によって負債の相続を逃れますが、相続権は第二順位の両親に移ります。ですから放棄する際は自分たちだけでなく次順位の相続人にも負債等のことを伝え必要な手続きをとることが大切です。