相続税の基礎控除 相続税に関係するのは全体の8%

2023.03.29
相続

相続が発生したら一番気になることは相続税ではないでしょうか。相続税は複雑で各種優遇措置があり難しく考えがちですが下記解説を順次お読み頂ければご自身の相続が相続税が発生するのか又は発生しないのか検討することができます。

1 相続税の基礎控除 基礎控除より相続財産が少なければここで 相続税の心配は終わりです。

基礎控除とは

税額計算に際し,すべての納税者につき課税標準から一定の金額を差し引くこと、もっと簡単にいえば相続財産から基礎控除分は引いて残りに税金をかけますよ、という意味です。

相続税の基礎控除

相続税の基礎控除は

3000万円+(600万円×相続人の人数)

この金額より相続財産が少なければ相続税は発生せず、申告も不要

仮に基礎控除以上の財産だとしてもその相続財産から上記計算の基礎控除を引いた金額から相続税が課せられます。

例1 父死亡 相続財産5000万円 相続人は、母、子、子、子の場合

3000万円+(600万円×4)=5400万円

この場合相続財産から基礎控除を引くと相続財産はありませんから相続税は発生しません。

例2 父死亡 相続財産5000万円 相続人は、母、子、子、の場合

3000万円+(600万円×3)=4800万円

この場合基礎控除を引いても200万円ありますから、この200万円については相続税の課税対象となります。

上記計算で相続税が発生するとなった方はさらに読み進めてください。

負債を引く

相続財産-負債(借金、未納税金、葬儀代など)=① 相続財産から負債を引いた後の①の相続財産はいかがですか?基礎控除以下になりますか?

ならない場合は下記へ

保険金基礎控除

①の相続財産-(保険金基礎控除額500万円×相続人の人数)=②

保険金は上記のように保険金基礎控除があります。これも引いて②は基礎控除以下になりましたか?

ならない場合は下記へ

小規模宅地の特例

②の相続財産-小規模宅地の特例(概ね110坪までの土地が80%減評価)=③

自宅で110坪までなら評価額80%減と評価されます。これでも基礎控除以下にならない場合は下記へ

小規模宅地の特例とは個人が、相続や遺贈によって取得した財産のうち、その相続開始の直前において被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業の用または居住の用に供されていた宅地等のうち一定のものがある場合には、その宅地等のうち一定の面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、下記の「減額される割合等」の表に掲げる区分ごとにそれぞれに掲げる割合を減額します。

配偶者控除

③までの相続財産から配偶者が下記の条件で相続した場合、配偶者は相続税はかかりません。

  • 配偶者の法定相続分=遺産の2分の1(3分の2、4分の3のケースもある)
  • 1億6,000万円以下

配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が1億6,000万円までか、配偶者の法定相続分相当額までであれば、配偶者に相続税はかかりません。

このように相続税には各種特例があり他にも未成年控除や障碍者控除などあります。まずは上記を参考に相続税の課税対象になるのかならないのか大まかに判定し、生前に対策を検討してください。

ここまで計算を簡単にするために相続財産から負債や保険金の基礎控除

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