相談事例 相続について相続人間で合意できた今後どうすればよいのか?(古河市)
ご相談者A様(長男)から「4か月前に母(80代)が亡くなり、相続については相続人である次男、長女、とほぼ合意できました。今後はどのように手続きを進めればよいのでしょうか?」
遺産分割協議にて相続人間で相続内容に合意できたら
遺産分割協議書を作成しましょう。
遺産分割協議がまとまれば、すべての相続人が署名・捺印して遺産分割協議書を作成します。押印する印鑑は実印を用いて作成し相続人全員の印鑑証明書を添付します。
また、各種手続きにおいて戸籍謄本が必要となります。
被相続人の出生から死亡までの戸籍、被相続人の住民票の除籍
相続人全員の現在戸籍(全部事項証明書)
遺産分割協議書作成の注意点
遺産分割協議書を作成する際に見落としがちな点は、以下のとおりです。
遺産分割協議書成立後に見つかった遺産の処理についての取り決めを記載してください。例えば「遺産分割協議成立後に新たな遺産が見つかった場合は法定相続分に応じて各相続人が相続する」「遺産分割協議成立後に新たに見つかった遺産はすべて○○に相続させる」などです。実際、遺産分割後に株式配当金や還付金が明らかになることが少なくありません。
次に相続財産からの果実(賃料収入等)の帰属者を誰にするか、相続債務を誰が支払うのか、遺産分割後に争いになりやすい問題ですので、遺産分割協議書に記載することをお勧めいたします。
銀行手続き
預貯金については各種銀行に問合せ必要書類を準備してください。
基本的には遺産分割協議書 印鑑証明書(相続人全員)被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の現在戸籍等です。
株式等の証券会社手続き
株式、投資信託なども銀行手続きをほぼ同様の必要書類と手続きとなります。また、株式の場合共有も可能ですが一般的には代表相続人に名義変更し、代表相続人が相続した株式等を売却し現金化して配分することが多く用いられます。いずれにしても代表相続人が証券口座を持っていない場合には新規開設が必要になります。株式等の名義変更をした後の売却時期も遺産分割協議書に記載します。
不動産の登記
不動産については、遺産分割協議書を原因証書として取得者から所有権移転登記を申請します。ただし、当事者の表示や不動産の特定に瑕疵がある場合には登記できませんので、遺産分割協議書案作成段階で司法書士の照会してもらうことをお勧めします。
遺産分割協議書は法律表現を理解し正確に記載することを求められます。誤った記載方法をした場合、銀行、証券、不動産の手続きがストップし最悪もう一度遺産分割協議書の作成の必要がありますので慎重に作成することをお勧めいたします。