私は独身ですが死後の手続きは誰がするのですか?
ご質問頂きました。私は独身で両親も亡くなり親族は親戚以外いません。親戚ともほとんど交流がないので、私が死んだあとその手続きや家の処理など誰がするのですか?
相続財産管理人
法律上相続人がいない場合は、家庭裁判所による相続財産管理人の選任です。このプロセスは、債権者や特別縁故者など、遺産相続の利害関係者が家庭裁判所に申し立てることで開始されます。相続財産管理人には地域の弁護士など、専門家が選任されるのが通例です。誰が相続財産管理人に選任されたかは、官報で公告されます。相続財産管理人は、法律に基づいて遺産の調査・管理・換金等の手続きが行われ、相続人や特別縁故者、債権者などいない場合は最終的に国庫に帰属します。
遺言書の作成
上記のように相続人がいない場合最終的には財産は国庫に帰属します。それが嫌な場合には、遺言書を作成することをお勧めします。遺言書を作成することにより、生前懇意にした人や団体に財産を遺贈することができます。
不動産の遺贈の注意点
不動産は現預金と異なりその流動性は低く、不動産によっては売却することができなかったり、利用価値が無いものもあります。ですから仮に、遺言によって特定の人や団体に遺贈しても遺贈の放棄をされてしまうことがあります。ですから不動産の遺贈については事前に遺贈する相手に遺贈を受ける意思があるか確認することが必要な場合もあります。
遺言執行者の選任
遺言書を作成してもその遺言の通りに財産の分配の手続きをする人がいないと遺言が現実化されず誰にも気づかれないままとなってしまいます。ですから相続人がいない場合は特に、遺言執行者を選任するようにしてください。
遺言執行者とは、故人の遺言書の内容を実現するために、必要な手続きを行う人です。 遺言書に記載された相続の内容を実現するには、所定の手続きを正しく遂行しなければなりません。 遺言執行者は相続に関する手続きを単独で進める権限を持つため、不動産の登記や銀行口座を解約するための手続きも行うことができます。
死後事務委任
遺言書の作成により財産に関する手続きは遺言執行者が行うことが可能ですが、死後のその他の葬儀や各種サービスの解約、住居の清掃などを行うことはできません。その場合死後事務委任という契約があります。死後事務委任契約とは、自身が亡くなった後のさまざまな事務手続きを、第三者に委任する契約です。例えば、葬儀や埋葬に関する手続き、親族・知人などへの連絡、生前における未払料金の支払い、サービスの解約などが内容となります。
親族や知人などへの連絡
直系の親族がいない場合や相続人がいない場合、親戚などへの連絡する人がいないため死後事務受任者が親族に連絡をします。
医療費などの清算
現代では一般的に死は病院で迎えることが多くなりました。ですからその際の医療費の支払いの手続きが必要になります。それを死後事務受任者がかわりにその手続きを行います。
葬儀
葬儀を行う場合には死後の遺体保管先や葬儀業者の選定など手続きが必要になります。その手続きを死後事務受任者が代わりに行います。
自宅や住まいに関して
生前使用していた居宅の清掃や家賃の支払いなどの事務を行う必要がありそれらも死後事務受任者がかわりに行います。
未払い料金
生前に利用した公共料金や友人知人からの借金等、死を理由に亡くなるわけではありません。それらの支払い手続きを死後事務受任者が行います。
サービスの解約
生前に利用していた月極駐車場代やサブスクリプション契約などのサービスの解約手続きを死後事務受任者が代わりに解約手続きを行います。
上記のような各種手続きを行うので死後事務委任契約となります。
誰でも契約可能ですが、弁護士、司法書士、行政書士が業務として行っている場合が多くそ知人などの任せられる方がいない場合は法律専門家に任せるのが良いでしょう。