家業を父から引継いだが経営方針を巡り対立どうすればよいか
今回ご相談いただいたのは、とある商品の卸売り業をされている80代の創業者の父と50代の息子の経営方針の違いから対立してしまったとのご相談を息子さんから受けました。
息子さんは3年前に創業者の父から事業を引継ぎ代表取締役に就任しました。父はかたち上、会長として事業の相談役として就任しました。父は当初、会長の役職はかたちだけで経営については全面的に息子に任せるとしていました。
しかし次第に息子の経営にのやり方に口出しをし、最近は息子の経営方針に反対し、社員にも息子の言うことをきかないよう指示しているようです。
息子いわく特に具体的な事柄があったわけではなく、些細な考え方の違いの蓄積からこのようになったようです。
息子の経営はいわゆる合理主義的な経営で無駄な接待や非効率な作業を減らし
代表取締役就任後は徐々に売り上げも伸び、父の経営していた時よりも業績が良くなっています。
しかし、父は売上よりも、人付き合いや心のこもった仕事、機械やコンピュータに頼るのは
人間の仕事では無いなどという考えをお持ちのようで全く正反対の考えのようです。
このような考え方の違いは生まれ育った時代や環境によってたとえ親子であっても明確に異なることがしばしばです。
私は下記のようにアドバイスしました。
取引先の会社に見学に行く
親しくしている取引先の社長さんに協力してもらい業務や作業をどのようにされているか一緒に見学に行かれることをおすすめしました。もともとお父様が親しくしていた会社があったが20年以上前に息子に代替わりされたあとは、仕事の取引以外では交流がなかったようで、しかもその会社は代替わり後業務効率化とITの導入で仕事の生産性が大きく伸びた会社でした。また、可能であればその会社の先代の社長も健在のようですので見学前にお父様に多少説得してもらえるかお願いするのも良いのではないかとアドバイスしました。