隠し子に財産を残したい

2023.03.20
相続

相談者には認知をしていない子がいます。本妻とその子がいますが他に子がいることを話していません。

認知していない子には相続権がありません。認知していない子に財産を残すには認知して相続人となることです。しかし、本妻の理解がなければ事実上財産の分配を受けられなかったり妨害されるなど苦しい立場に置かれ、子の側が諦めてしまうことが多々あります。また、遺留分請求権はありますが、子にその知識が無かったり、その手段をとる余裕がなく時間経過し時効を迎えてしまうこともあるかと思います。

対策

認知する

上記の通り認知したからといって必ずしもその認知した子に財産が渡るとは限りませんが、法律上その被相続人の財産を相続するためには認知することが重要です。そもそも認知しなければ相続人ではなく被相続人の財産を相続する権利がないからです。
母子関係は出産の事実をもって当然に親子関係が成立しますが、父子関係の非嫡出子は認知によって生じます。よって、生前に認知することによって出生時まで遡って相続人とすることになりとができます。以前は非嫡出子の相続分は嫡出子の1/2とされていましたが、平成25年9月5日以降は改正され相続分に差が亡くなりました。いわば、非嫡出子か嫡出子か問わず被相続人の子は子であるという至極まっとうな法改正となったわけです。

認知の手続き

認知の手続きには、「任意認知」「胎児認知」「裁判認知」があります。

一般的な任意認知の場合

  • 「認知届書」
  • 「届出人である父の印鑑」
  • 「認知する父の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)
  • 認知される子の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)(届出をする市区町村に本籍がないときに必要)」
  • 「届出人の免許証などの本人確認書類」が必要です。認知の届出の際に注意すること
  • 成年の子を認知する場合は、その子の承諾が必要です。
  • 胎児認知の場合、母の承諾が必要です。
  • 他に認知者がいる場合や嫡出子をさらに認知できません。
  • 死亡した子の認知は、その子に直系卑属(子や孫)がいる場合に限られます。
  • 認知届により認知されると、子供の戸籍の父母欄に父の氏名が記載されますが、戸籍の異動はありません。
  • 任意認知と胎児認知は、提出日が認知した日になります。
  • 認知届とは、婚姻関係にない父母との間に生まれた子とその父との間に法律上の親子関係を生じさせるために父がする届出です。
    ただし、裁判認知の場合は、申立人が届出をします。

遺言による認知

認知は遺言によってもすることができます。生前には複雑な人間関係の中で認知することが難しい場合もあります。そのようなときに遺言によって認知することが可能です。遺言認知は死後にスムーズに相続権を与えることができます。生前に周囲に存在を明かされない非嫡出子を保護するための制度です。

1.遺言書の作成の場合

認知する、認知しないにかかわらず遺言書に財産を相続させる又は遺贈させることができます。認知をしていない場合でしたら、遺言がなければ原則として遺産を取得することはできませんし、認知して相続人になったとしても遺言書がない場合は、遺産分割協議が必要となり、父子関係が疎遠だったり、本妻家族と今まで交流がなければ自ら財産の取得の主張ができるとは限りません。ですからこのような場合には遺言書の作成は必須と思われます。

遺言執行者の指定

遺言書を作成しても自筆遺言証書であれば保管者は発見者によっては破棄されてしまう場合も考えられます。本妻からしてみればアカの他人であり、財産の分配が少なくなることによく思われない方もいるでしょう。その場合の対策として、自筆遺言証書であれば遺言執行者を指定します。

遺言執行者とは、遺言の内容にもとづいて相続に関わる手続きを進めていく人です。遺言書に書かれた内容を実現するために、遺言者の死後に手続きを行います。 どのような状況で遺言執行者の選任が必要かは、状況によって異なります。遺言執行者には、民法により、「遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言執行に必要な一切の行為をする権限」が認められます(民法1012条)。また、遺言執行者は、その権限が広く認められると同時に、それに相応する義務を負います。具体的には、任務の開始義務(民法1007条1項)、通知義務(民法1007条2項)、財産目録の作成・交付義務(民法1011条)、善良な管理者の注意義務(民法1012条3項)、報告義務(民法1012条③、645条)、受取物等の引渡義務(民法1012条3項)などがあります。いわば遺言書どおりに執行するために重い責任のある立場ということが言えます。この遺言執行者ですが、未成年者と破産者以外は誰でもなれますが今回のように利害関係が対立する相続人がいる場合は、行政書士等専門家に依頼することをお勧めします。

遺言書の保管はさまざまありますが、今回のケースでは、法務局遺言保管所又は上記遺言執行者(法律専門職)に保管を依頼するのが最善ではないかと思います。また、公正証書遺言であれば内容の不備等もなく、保管の心配もありません。ただ手間と費用が自筆遺言証書に比べてかかるのが難点です。

2.生前贈与をする

生前贈与は贈与者と受贈者の間で贈与契約書を作成し、相続人でないものに対しても自由に財産を渡すことが可能です。遺言書を作成するよりも手続きが簡単なため有効な手段のと言えます。また、相続人でない者に対する贈与は相続開始前3年以内の贈与であっても相続財産に加算されません。

生前贈与には暦年贈与と相続時精算課税制度があり暦年贈与には、特例贈与と一般贈与に区分されます。今回のケースでは暦年贈与であれば認知ありなら特例贈与、認知無しなら一般贈与となります。相続人でない一般贈与の方が税金が高く設定されています。
暦年贈与とは、1月1日から12月31日までの1年間(暦年)で、贈与額が110万円以下ならば贈与税がかからないというしくみを用いた贈与方法のことです。 非課税で毎年110万円を移せることから、相続税対策として有効で、対象は110万円以下ならばお金だけでなく、土地や建物も含まれます。また、認知した場合には相続人となりますので相続時精算課税も適用可能です。

「相続時精算課税制度」は、60歳以上の父母または祖父母から18歳以上※の子・孫への生前贈与について、子・孫の選択により利用できる制度です。贈与時には贈与財産に対する軽減された贈与税を支払い、その後相続時にその贈与財産とその他の相続財産を合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払った贈与税額を精算します。
 この制度には2,500万円の特別控除があり、同一の父母または祖父母からの贈与において限度額に達するまで何回でも控除することができ、2,500万円までの贈与には贈与税がかからないことになります(ただし、相続時精算課税制度を利用した場合、贈与税の基礎控除(110万円)の利用はできません)。贈与額が2,500万円を超えた場合には、超えた額に対して一律20%の贈与税が課税されます。

以上のように、ご自身の状況をふまえつつ対策を選択することをお勧めします。

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