子に事業承継させたい

2023.03.29
遺言

事業をされている70代の男性から相談がありました。同業の大手上場企業に会社員として勤める息子がおり、会社を継がせたいが、息子は何となく気乗りがしないようでどのように説得すればよいかと相談がありました。

最近の日本の動向として多くの中小企業の経営者が高齢化し、後継者が決まらず、事業として利益が出ているにもかかわらず廃業となるケースが増えています。事業承継に親族か従業員からみつけるかM&Aによるしかありませんが、まだまだ中小企業においてM&Aは普及しておらず親族が承継しない場合は廃業のケースが多いのが現状です。

同業大手に就職したということから推察すると、当初息子はいずは事業を承継する気持ちは持ち合わせていたものと推測します。しかし、いざ同業大手に就職すると、大手でしかできないスケールの大きな仕事や優秀な同僚たちとの刺激のある職場環境、安定した給与や福利厚生があり、父の経営する小規模な事業が少なからず見劣りしてしまうこともあります。

決算書などの開示と説明

また、息子として父の会社の将来性や業績に疑問を持っている可能性もあります。問題点が明確であれば改善しようという気持ちになりますが、父が会社の情報を数字を交えて説明していなければ理解できないでしょう。父ご自身の考えている今後の予測と息子のものとは異なる場合があります。あくまで情報が開示されていない息子としては外観からしか会社について分からないからです。

社長の振る舞い

また、可能性としてあなたの不断の振る舞いが時代遅れな場合もあります。特に大手企業で働いている場合、コンプライアンスや法令順守によって同じ職場内の上司でも部下に対して一人の人間として丁寧に接する企業も増えてきています。その反面多くの中小企業では社長のワンマンが強く出ていて、あからさまなパワハラも往々にして見受けられます。本人は従業員の為に人一倍頑張っている為その気負いから、従業員にたいしても過度に厳しく接している場合が多いです。
そのような職場では、従業員は社長がいるときだけ頑張りを装っており、ともすれば、会社に対して憎悪感情をもっている場合もあります。このような状況は経営者本人は気づきませんがそとから見るとすぐに感じ取れるものです。そのような場合、息子としても事業を承継したくないなと考えるのもむりがありません。

株の譲渡

会社は株主のものですから、株をもっていなければ、仮に社長交代で就任しても結局雇われ社長にすぎません。ですから、まずは少数でも構いませんから自社株を譲渡して息子に会社を所有している自覚を徐々に植え付けるのも手段として考えられます。

自社株の譲渡方法は、売買、贈与、相続の3種類ありますが、売買は代金の準備が必要ですから、長男に役員に就任させ役員報酬を与えそこから自社株の代金を支払いに充てさせることを検討します。
贈与は暦年贈与で110万円までなら非課税ですからそれを利用して毎年少しずつ譲渡することも良いですし、また、相続時精算課税(2500万円まで贈与税非課税、相続時に相続税の計算に参入)を利用して譲渡することも検討すべきでしょう。

個人保証の債務の問題

中小企業において会社の借り入れをする場合かなりの確率で社長個人の個人保証を求められます。その結果会社がその債務を返済できない状態に陥った場合、社長個人の財産を切り崩して返済に充てなければなりません。ですから社長本人としても、個人保証が終わるまでは代替わりできないという気持ちになります。
 経営承継円滑化法が改正され上記のような問題を是正するために経営承継借換関連保証制度が利用できるようになりました。3年以内に事業承継を予定する法人に対して、借換式の融資を後継者の個人保証なしに実行するというものです。各種条件がありますが検討するに値すると思います。

まずはお気軽にお問い合わせください。

面談予約日程の調整のため、事務局よりご連絡させていただきますので、予めご了承ください。
なお、ご相談・ご質問以外の事業者様からのお問合せは、以下のいづれかからご連絡ください。

ご相談は無料です。

0280515969 LINEでお問い合わせ WEBでお問い合わせ

弊事務所について

弊事務所のサイトをご覧頂きありがとうございます。
古河市を中心に相続・遺言のサービスをご提供しています。
所在地は茨城県古河市桜町11-27で古河駅より徒歩15分です。
土日祝でも対応可能です。

遺言相続 行政書士浅見事務所出張相談対応可能エリア

関東地方を中心に承っております。オンライン相談も対応しています。詳しくは対応エリアをご確認ください。

東京都
埼玉県
神奈川県
栃木県
茨城県
群馬県
千葉県