財産が農地しかなく農業をしていない兄弟も農地を相続した場合
ご相談頂きました。 父は先祖代々の農地で専業農家をしていました。しかし先月亡くなり相続となりました。長男は後継ぎとして父と共に専業農家をしています。父の相続財産は農地以外になく農地6筆のみでした。現在兄弟で話し合っていますが農業をしていない私も農地を相続し兄に賃貸したいと考えています。このようなことはできますか。
農地取得は農業委員会の許可が必要
農地は原則農家しか取得することができません。たとえ売り主に代金を払っても農業委員会の許可が無ければ所有権を取得できません。しかし相続人への遺産分割の場合は許可が不要になり農家でなくても農地を相続によってその所有権を取得できます。
農地を賃貸する場合は農業委員会の許可が必要
相続によって農地を取得したあと、その農地を長男に賃貸する場合農地法3条による許可が必要になります。この3条許可が無い場合の賃貸借契約は無効となります。
遺産分割協議書への記載方法
上記のように長男と二男で相続財産である農地を分け、農家ではない二男は相続した農地について長男に賃貸することになります。この場合の遺産分割協議書の文言は下記になります。
第〇条 相続人○○(二男)は前記○条により取得した農地につき、○○(長男)に対して賃貸し、○○(長男)はこれを借り受ける。賃料・賃貸借期間等の条件は、別途協議の上定める。
と記載します。
まとめ
- 相続においては農家でないものでも農地を取得できる
- 農地を賃貸する場合は農地法3条の許可が必要
- 遺産分割協議書にも農地賃貸について明記する