相続人の1人行方不明だった為不在者財産管理人を選任して遺産分割をしたが被相続人の死亡前に死亡していた場合

2023.04.06
相続

相続人の中に行方不明の者がいる場合、通常の捜索で判明しない場合は、利害関係人又は検察官の請求によって家庭裁判所が不在者の財産の管理人を選任します。その不在者財産管理人とその他の相続人との間で遺産分割協議を進めることになります。

不在者財産管理人は、不在者のために遺産分割に参加し不在者の財産を守る役割を担います。

不在者が被相続人よりも先に死亡していた場合

理論的には不在者は被相続人よりも先に亡くなっていたということは、被相続人の相続人でなかったことになります。つまり遺産分割は無効と考えることもできますが、不在者財産管理人は家庭裁判所の許可を得て成立させた遺産分割をも覆すことになり、不在者とその利害関係人の保護を目的とした不在者財産管理人制度の趣旨に反し法的安定性を害するとして、遺産分割は有効としています。(大阪高判昭和30年5月9日)

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