相続財産がいくらなのか分からない場合
ご相談頂きました。私は80代の男ですが、私の父から受け継いだ多数の土地があり相続税がかかるのが心配です。私にできる対策はありますか?
相続財産の調査
ご相談いただいたご主人は多数の土地を先代から受け継ぎその時にバブル時代だったこともあり多額の相続税の納税をされたそうです。今度はご自身が亡くなった時に子供が困らないように対策をしたいが、土地が多く現在どれくらいの財産が又は価格になるのかわからないとご相談を受けました。
一般的に預金、株などの場合すぐに現在の価格を把握することが出来ますが、土地は土地それぞれに評価額が異なり具体的な評価額を把握されている方は少ないかと思います。
固定資産評税価証明書をとる
今回のご主人の場合先代のから相続した土地が多数ありどれがどこの土地かよくわからないと仰っていますので、まずは固定資産税評価証明書の取得をし市内にあるすべての土地を把握します。
固定資産税評価証明書には市役所が評価したそれぞれの土地の評価額が記載されています。しかし相続税の計算上は路線価を使って評価されます。路線価とは相続税の計算のために国税庁が道路ごとに土地の評価をしたものです。
路線価をもとにそれぞれの土地の評価額を計算し、すべての財産の概算金額を把握します。そしてまずその金額が相続税基礎控除以下であれば一切相続税はかかりません。しかし基礎控除をこえる場合は各種対策の必要があります。相続税対策には国が認めたものがいくつかありますので、それらが使えるのか検討し相続に備えるのが良いでしょう。
遺言書の作成
土地を多数所有しているため相続の際にどの土地を誰が相続するか争いになる場合があります。土地はその場所や形状により大きく価値が異なるためです。最悪の場合、利用価値がなく売るにも買い手がいない土地もございます。
ですから生前に遺言書を作成し、だれにどの土地を相続させるのか遺言によって指定することが良いでしょう。その際に注意したいのがなるべく公平に相続できるようお子さんや配偶者に配慮することです。土地を等しく相続させるのは難しいので公平に配分するために預金等を使って公平に相続できるよう工夫することをお勧めします。
まとめ
- 相続税がかかるのか全ての財産を正確に把握する。
- 基礎控除以下なら相続税はかからない。
- 遺言書を作成し公平に相続させる。