独身者の相続
2023.03.21
近年未婚の増加により独身のままお亡くなりになるケースが増加しています。独身者の場合、子供がいないケースが多く、また、両親が
他界している場合が多く中には全く相続人がいない場合も増えています。
独身者が亡くなった場合
お子さんがいない場合には、遺産は民法上の相続順位に従い、まずはご両親が相続し、ご両親がいなければその兄弟姉妹が相続することになります。 独身であっても相続に特別なルールがあるわけではありません。法定相続人がいればその人たちに相続の権利がありますし、遺言書で財産を渡す相手を指定することも可能です。
法定相続人と相続順位
法定相続人の相続順位は、以下のとおりです。先の順位の人が1人でもいれば、後の順位の人は相続人にはなれません。
- 配偶者は常に相続人となる
- 第1順位:直系卑属(子や孫、ひ孫など)
- 第2順位:直系尊属(父母や祖父母、曾祖父母など)
- 第3順位:兄弟姉妹(亡くなっている場合には甥姪)
独身者の相続にはいくつかの問題点
- 生前に何も対策をしていないと、財産の把握などができず、相続手続きが非常に難航することが多いです。特に預金や株式がどこにあるのか捜索することが難しいことがあります。例えばネット銀行などで預金していた場合そのほとんどが通帳が発行されない場合が多いですから、相続人が財産調査する際見落としてしまいます。
- 直系尊属(父母や祖父母)がいない場合は、兄弟姉妹が相続人となるため、相続人同士の関係が疎遠で、うまく話し合いが進まず、遺産分割調停などの裁判所を使った手続きとなることも多いです。
独身者の生前対策
- 財産や負債をまとめたノートや文書を作成
独身者の場合、生活を共にしている人がいないため財産や負債の状況を知る人がいません。相続人となった方たちのためにご自身の状況をまとめたものを残されるようにしましょう。 - 遺言書の作成
ご自身の財産を特定の人や団体に遺贈するには遺言書の作成が最適です。生前に親しくした友人や甥姪、福祉団体などご自身の意思で遺贈することが可能です。ただし、相続人以外の遺贈には注意が必要です。不動産などの使用目的が限定されるものなどは遺贈の放棄される場合があります。また、相続人以外のの遺贈では相続人に配慮して放棄する場合もあります。ですから、遺贈をする場合事前に相手に受取意思があるか確認することも必要な場合もあります。 - 死後事務委任
死後事務委任契約は、ご自身が亡くなられた後の葬儀、納骨、お墓のこと、遺品整理などの手続きを第三者へ委任する契約です。亡くなった後の諸々の手続きを任せる親族がいらっしゃらない方、家族が遠方にいるため頼みにくい方などが主に利用しています。 - 終活
終活(しゅうかつ)とは「人生の終わりのための活動」の略です。 もっているモノや資産のほかに、情報や気持ちの整理をおこない、今後の人生と自分の死後を考えた準備をすることです。特に生活上不要になったものをできる限り売却や処分し、仮に亡くなったとしても相続人などに迷惑をかけることがないようにします。 - ペットを飼っている
独身者で犬や猫を飼っている場合、最悪飼い主が死亡した場合そのペットも食事等ができず、場合によっては死亡する可能性があります。ですから定期的に訪問してもらえる人をつくったり、近所の方に雨戸が閉まったままだったら訪問してもらうなどの協力をしてもらうのが良いでしょう。また、お金はかかりますがヤクルトの訪問販売を利用している方かなりいらっしゃいます。