所有者不明土地の問題

2023.03.20
コラム

所有者不明土地とは

人口減少や高齢化に伴い、土地ニーズの減少し土地所有の意識が希薄化し所有者不明土地が増加しています。

相続登記されないこと等により、不動産登記簿を参照しても所有者が判明しない
所有者が判明しても連絡がつかない状態の土地を所有者不明土地と呼びます。

いわゆる「所有者不明土地」は、土地の所有者の探索に多大な時間と費用を要 し、公共事業や復旧・復興事業が円滑に進まないなど、事業実施の支障となり、 民間取引や土地の利活用の阻害要因ともなっています。 また、所有者不明土地では適正な管理が確保されず、周囲に悪影響を及ぼすお それのある管理不全状態の土地が多くみられます。 今後、高齢化の進展による相続機会の増加等により、所有者不明土地は増加を 続け、こうした問題はますます深刻化するおそれがあり、所有者不明土地問題の 解決は喫緊の課題となっています。 こうした状況を踏まえ、所有者不明土地の利用の円滑化と適正な管理の確保 を推進するための制度の整備が進められています。

所有者不明土地の問題点

不動産の所有者は不動産登記されますが、相続が発生してもそれに伴って相続登記がされないと、登記簿の情報が最新ではなく、その土地を利活用したい人やその土地の管理をお願いしたい人が所有者に接触しようとしても真の所有者の捜索に時間と費用がかかり、真の所有者にたどり着けなかったり、その土地の相続人が多数になりその所有権をめっぐて争いとなっている場合があります。

所有者不明土地のパターン

  • 登記簿に記載された内容が古く、所有者を特定することが困難な土地
  • 土地所有者は特定できても、その所有者の所在(転出先や転居先)が分 からない土地
  • 多数の共有者がいる土地で、共有者の全員を特定することが困難な土地管理不全状態の空き地の問題点
  •  雑草の繁茂、ゴミ等の不法投棄、害虫の発生等により、周辺の地域に 著しい悪影響を及ぼすおそれがあります。
  • 土砂の流出や崩壊等により周辺の土地に災害を発生させるおそれがあ ります。

所有者不明土地を円滑に利用する仕組み

反対する権利者がおらず、建築物(簡易な構造の小規模建築物を除く。)が なく現に利用されていない所有者不明土地について、以下の仕組みが構築さ れました。

公共事業における収用手続の合理化・円滑化(所有権の取得) 土地収用法に基づき、公益性等についての事業の認定を受けた後、特定所 有者不明土地を収用等しようとする場合、収用委員会の裁決に代わり、都道 府県知事の裁定により、審理手続を経ずに土地を取得することが可能とな りました。

地域福利増進事業の創設(利用権の設定) 特定所有者不明土地において「地域福利増進事業」を実施する場合、知事 の裁定により、最長 10 年間(異議がない場合は延長可能)の使用権を設定 することで、事業の実施が可能となりました。

所有者の探索を合理化する仕組み

所有者の探索において、原則として登記簿、住民票、戸籍等客観性の高い公的 書類を調査することとする等合理化を実施しました。照会の範囲は親族等に限定されます。

  1. 土地等権利者関連情報の利用及び提供 土地の所有者の探索のために必要な公的情報(固定資産課税台帳、地籍調 査票等)について、行政機関が利用できる制度が創設されました。
  2. 長期相続登記等未了土地に係る不動産登記法の特例 長期間、相続登記等がされていない土地について、登記官が、長期相続登 記等未了土地である旨等を登記簿に記録すること等ができる制度が創設さ れました。
  3. 所有者不明土地を適切に管理する仕組み 所有者不明土地の適切な管理のために特に必要がある場合に、地方公共団 体の長等が家庭裁判所に対し、不在者財産管理人の選任等を請求することを 可能にする制度が創設されました(財産管理制度に係る民法の特例)。

登記官による表題部所有者不明土地の所有者の探索結果を登記簿に反映さ せるための不動産登記の特例が創設されました。

  • 探索の結果、所有者を特定することができなかった土地について、適切な 管理を可能とする制度を創設 登記官による表題部所有者の探索の結果、表題部所有者として登記すべき 者がない旨の登記がされた場合に、利害関係人の申立てにより、裁判所の選任 した管理者(特定不能土地等管理者等)による管理を可能とする制度が創設さ れました。

特定不能土地等管理者等には、次のような権限が与えられています。

ア 当該土地の繁茂した草木の伐採の許可

イ 当該土地の買取りに応ずる権限(※売却代金は所有者のために供託)

土地基本法の改正

土地所有者は、その土地を管理する責務を持ちます

新たに「土地所有者の責務」として、次の点が追加されました。

  • 適正な土地利用・管理・取引を行う
  • 登記手続など権利関係を明確にする
  • 土地の境界を明確にする

土地所有者等は、国や自治体の取組に協力しなければなりません

国や自治体は、土地の適正な利用及び管理等に関する基本的施策として次 の取組を行い、土地所有者等は、それらの取組に協力しなければなりません。

  •  低未利用地の適正な利用と管理の促進
  • 土地の管理に関する計画の策定
  • 適正な土地利用と管理の確保を図るための誘導
  • 所有者不明土地の発生の抑制・解消・円滑な利用・管理の確保
  • 不動産市場の整備

上記の改正により土地所有者の管理義務が大きくなったといえます。

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