不動産を相続した相続人がハンコ代(代償金)を払ってくれない。
ご相談頂きました。父が亡くなり相続財産は不動産の比率が大きく長男が相続しハンコ代を他の兄弟に払うことで分割協議が整いました。しかし、ハンコ代の支払いをしてくれません。約束を守ってくれない長男に相続人一同、怒っています。何度言っても払ってくれません。今後どうすればよいのか対処法をご教授ください。
遺産分割協議の無効?
代償金の支払いを受ける相続人は、その代償金の債権を取得しますが、遺産分割協議の無効を主張することはできません。ですから、あくまで代償金債権の回収をするほかありません。
代償金の分割払い
代償金は分割払いも認められています。遺産分割協議は支払い能力を検討せずに合意する場合もあり不履行に陥りがちです。債務者にまとまった預金等が無い場合は分割払いも検討してみてはいかがでしょうか。
相続不動産を担保にする
債務者は相続した不動産を担保に借入できる場合があります。その借入金から代償金の支払いに充てることができます。
故意に支払はない場合
調停や審判を経ている場合は代償金請求者として、強制執行をすることができます。公正証書の形式で遺産分割協議書を作成している場合には強制執行認諾文言があれば強制執行ができます。公正証書でない場合は紛争調停などを申し立てる必要があります。
担保設定
遺産分割協議をこれからする場合、特に代償金が発生する場合には不動産に担保設定することも認められています。ですからこれから遺産分割協議をする場合は担保設定も検討するとより確実に債権を回収することが可能になります。
まとめ
- 代償金の支払いが無くても遺産分割協議は無効にならない
- 不動産を担保に借入の検討
- 債権の強制執行もできる
- 遺産分割協議において担保設定も考慮する