相続争い防ぐにはどうすればよいですか?

2023.04.10
相続

相続争いや紛争を防ぐには何か策はありませんか?という相談を受けました。では相続争いを防ぐ方策について解説していきたいと思います。

遺言書の作成をする

遺言を残すことによって相続人間での遺産分割による協議をする必要がなくなり、相続人は遺言のとおりに遺産を相続することになります。ですから相続人間の争いは発生しません。

では特に遺言を残しておくべき状況を挙げておきます。

1.相続人が大人数いる場合

相続人の人数が多ければ多いほど遺産分割協議が難航します。というのも人が増えればいろいろな考えの人が加わり全員の同意が必要な遺産分割では、たった一人でも協議に反対すれば成立しないからです。遺産分割協議は多数決ではないのです。

2.相続人間で感情的対立が予想される場合

相続人間に感情的に対立があればおのずから遺産分割協議が不成立になる可能性は高くなります。

3.相続人に応じて相続割合を変えたい場合

相続人と被相続人との関係性から相続人によってその相続割合を変えたい場合遺言が必要です。遺産分割協議となれば一般的には法定相続分または全員等分で遺産分割することがほとんどだからです。

4.相続人以外に財産を残したい場

相続人以外の者に財産を残したい場合は遺言が無ければなりません。

遺言執行者を選任しておく

遺言執行者とは、遺言内容にしたがい財産の引き渡しを行うのが、遺言執行者です。遺言執行者は、多くの場合、遺言書のなかで指定されます。なお、遺言執行者となる方が見つからず遺言書に指定がない場合、利害関係者が家庭裁判所に申し立てをすることで、遺言執行者を選任できます。

遺言執行者を遺言で指定しておくことによって相続人に遺産分割の手続きをさせず、遺言執行者が責任をもって遺言書の記載に従い遺産を分割し手続きを完了させます。

遺言執行者は、相続財産の管理その他の遺言の執行に必要な一切の権利義務を有し、遺言執行者がいる場合には、相続人であっても相続財産の処分を行うことは一切できません。ですから、遺言執行者がいる場合には相続人であっても遺産の預金を引き出すことはできません。このように遺言執行者の権限は強いものになっています。ですから、とくに争いが予想される場合には遺言執行者を指定しその者に遺産の手続きをお願いすれば確実です。

争いが予想される場合、遺言書には3種類あるがどれが良いか

相続争いが予想される場合は、遺言書の形式によっては無効になる可能性があるので注意が必要です。遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言の3種類がありますが、相続争いを防ぐためには、公正証書遺言がおすすめです。

公正証書遺言とは、公証人(公証役場の職員)の立会いのもとで作成する遺言書のことです。 公正証書遺言のメリットは以下の通りです。

公証人が遺言者の意思や能力を確認するので、法的に有効であることが保証されます。

 公証役場に保管されるので、紛失や改ざんの心配がありません。

遺言執行者を指定することができます。

公正証書遺言のデメリットは、費用がかかることや手続きに時間がかかることです。

自筆証書遺言とは、遺言者が自分で手書きする遺言書のことです。¹ 自筆証書遺言のメリットは以下の通りです。

費用がかからず、手軽に作成できます。

秘密にしておくことができます。

自筆証書遺言のデメリットは以下の通りです。

一定の要件を満たさないと無効になる可能性があります。

紛失や改ざんされる恐れがあります。

以上のように相続争いが予想される場合は料金はかかりますが,公正証書遺言をお勧めします。

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