亡くなった祖父の土地を相続や登記など何もしていないがどうすればよいですか?
相談内容:20年以上前に亡くなった祖父の土地は価値が無くだれも相続したいと思わなかったため、預金等は父の兄弟で分け土地については放置していたようです。現在、父も亡くなり、父の兄弟も1人しかいません。この不動産はどうすればよいのですか。今後は登記しないと罰金があるとも聞きましたが如何ですか?
亡くなった祖父の相続人の確定
まず祖父の不動産を放置し続けることは得策ではありません。その不動産を売却できない、固定資産税はかかる、その土地荒れ事故や不法投棄から火災が発生した時の責任問題、相続人がふえる、などデメリットは多くあります。その土地について現在は複数人の共有のためそれぞれの相続人に不動産を事実上所有している意識が無いと思われますが、実体上、所有していますからその不動産に関する責任がかかってくることがあります。
ですから早めにその不動産の遺産分割と登記をすることをおすすめします。
まず、相続人が誰なのか特定します。当初、祖父が亡くなった時の相続人は、子の3人兄弟でした。本来であればこの3人が遺産分割協議をし誰がその土地を相続するか決めておくべきでした。しかし、資産価値がなくだれも相続せず放置していました。その後時間の経過とともに長男、次男も死亡し三男のみが現在生存しています。しかし相続人は三男だけではありません。
数次相続(すうじそうぞく)
今回の場合、遺産分割完了前に長男次男が死亡したため、その財産につき長男の子2人、次男の子3人が相続人になります。このような状態を数次相続といいます。相続割合は三男1/3、長男の子は各1/6、次男の子は各1/9となります。
現時点んで相続人は6人とふえています。人数がふえればふえるほど遺産分割協議は難航します。遺産分割協議とは全員の合意をもって成立するものだからです。一人でも反対の者がいれば成立しないのです。
今回の場合対象不動産に価値はないとのことですので、おそらく全員がその土地について相続したがらないとすれば、どうすればよいのでしょうか。
すでに父が亡くなって5年たっており相続放棄もできません。まずは、全員が問題意識の共有をし、自分が相続に参加しなければ子や孫の代へと永久に相続されていくことになるということを理解しなければなりません。
また、今回お伺いした相談者の対象不動産は確かに売却には時間がかかりそうですが、売れなくもないと思いました。不動産業者さんを紹介しどのようにすれば売却できるのかも含めて検討し、その上で遺産分割協議に入るのが良いと思います。
いずれにしても、各種専門家に相談することが問題解決の一歩です。普段仕事等で忙しい中相続手続するのは大変ですから、専門家に任せるものよいと思います。